隼人の帰省の時の出来事以来、荒川さんが時々店に顔を出すようになった。



あの時、私が何者か?と聞かれて、いたずら心を出した隼人が
「実は、魔女なんです」なんて深刻な顔で答えたものだから、
一旦、話がややこしくなってしまったけれど、
正義の味方の荒川さんを信頼して、私達のことを話した。



「良ければ、いつでも店にお立ち寄りくださいね」

とは、言ったけど……。

うん、迷惑なんかじゃないんだけど。



180センチを余裕で越える長身で肩幅もガッチリした体育会系の男の人が、
スピリチュアル系のパワーストーンだのアクセサリーだのアロマオイルだのを置いている雑貨店でウロウロしているさまは、



ちょっと場違いかな?

……いや、私は逆にかわいい感じがするけれど……。

(10年後、こういう感覚を『ギャップ萌え』と言う様になるのだが…当時の私は知る由もない)