「・・・はい。」






そう言って彼は、涙を流した。






それから奏君は軽くやり、相手はやる気を失くした。






奏君は試合を本気でやると言っていたが、長居君がそれを止めた。






試合は勝利したものの、チーム間に亀裂が入った。






『監督、こうなるのがわかっててどうして、どうして最後まで出させたんですか?』






「奏君が出なかったら試合は負けていた。でも、奏君自身を傷付けてしまうなんて思いもしなかった。」






『・・・奏君がもう試合に出なくてもいいんですか?』






私は監督が何を言っても信じなかった。でも、これだけは分かった。






「試合に出なくてもいい選手なんていない。」






そして気がつくと長居君と紺野さんが奏君を探しに行っていた。