「・・・もうすべてが嫌になって逃げ出し、私が嫌いになった場所です。」 それからは誰も言わなかった。 周りの皆はこの二人がいつも何かを隠していると思っているだろう。 琴音は昔の奏を知っている。 なんで、俺じゃないんだろう。 なんで、琴音を救えてないんだろう。 俺は琴音に昔みたいに笑ってほしい。 俺じゃダメなのか。 『琴音。ちょっといいか?』 「うん。いいよ。」