コンコン
ガチャリ、、
「やぁ、おはよう。
納得のいく答えは、みつかったかい?」
「おはようございます。教頭先生
はい。ご察しの通り、昨日の件のご返答に参りました。」

リリッター
第5話 木更津直也の決心

「…あいつ最近見ないな…」
あいつとは、大沢譲治のこと
いつも昼休みになっては俺のとこにやって来ていたのに、ここ1週間くらいぜんぜん来なくなった

「…ベ、べつにあいつ来なくなったほうがうるさくなくていいし!!!
…でも、、、」

俺は思い出す、大沢との日々を
『俺ら友だちだろ!!』

「…でも、、寂しいじゃねぇか、、
何で来ないんだよ、、
俺ら友だちだろ…」

「木更津くん?」
「…ん?」
突然名前を呼んだのはクラスメートの女子、三田明だった

「三田?…珍しいな、なんの用だ?」
「あ、、、え、と。

「あ、なんだよ?はっきりしろよ」
「かかかかか柏原会長ぉー!!!!」
「え?」
ピイイイイイイーーー!!!!!!
「ーーーーーーーーー!!!!、??????」
彼女は突然叫んだと思ったら、首にかけていた笛を思い切り吹いた
ピイイイイイイーーー!!!!!!
まだ笛を鳴らしている
「うるせええええーーー!!!
何やってんだよ!!てめぇは!!!」
「ひっ!、あ、う、あ、ご、ごめんなさいいいいいい!!」
彼女は謝ったあとまた、笛を鳴らす
ピイイイイイイーーー!!!!!!
「…話聞いてないなこいつ」
俺は口をヒクヒクさせながら、怒りを必死に抑えていた

ザザザザザザ!!!!!!
「?!」
突然背後から音がしてきた
ザザザザザザ!!!!!!ドガンー!!!!,
そして爆発音みたいな音がした

「…何だ?!」
「美少女生徒会長、柏原唯花、只今参上!!!!!!」
「……」
俺は初めてだった
人生で心の奥底からドン引きしたことが
「何ですか?木更津くん?その顔は
全く、もぅせっかく決め台詞まで言ってみたのに!!ほめてくれたっていいじゃないですか!!」
「い、いや」
俺は思った
生徒会長がこんな絶世の変人だったこの学校の終わりは近いと、、
「そそそそうですよ!!!!せせせせっかく会長が会長が…
うえっぐすっうえっうえっ」
彼女は突然泣きだした
「…今度はなんだ、、」
「うえっぐすっぐすっ会長ぉー今日もお綺麗でぇーーぐすっぐすっ感動して涙が止まりません」
「あらあら、明くんはほんとに可愛いわねぇー」
「変人ばっかだな、、、ここは、、」
「…否否否!!!!!!変人は生徒会メンバーだけですよ
真実が知れて良かったですね木更津くん?」
「え、あ、ハイ…ハハハ…」
つっこみどころ満載なこいつらを俺は逆に満載すぎて疲れてしまい、何もつっこまなかった

「それはそうと木更津くん?わたくし、あなたに用事があって来たのです‼」
「用事?何ですか?」
「用事と言うよりは伝言ですかね」
「伝言?」
「そうです
譲治くんが今日の放課後、第二会議室に来てほしいらしいです」
「え?譲治、、大沢、、あいつが?」
「…何か用事がありますか?」
「…行きます!!…行くってあいつに伝えてください!!!」
「…分かりました。伝えます。
では、そろそろ戻りましょうか明くん」」
「あ、はははははいぃい会長おおお」
「…お願いします」
俺は柏原会長に頭を下げた
「ええでは、」
「…あいつ!放課後心配してたってたんまり怒ってやる!!
…はっ!!何だよ!心配してたって!!まるで俺、、あいつのことが好きみたいな感じじゃんか…」
…でもあいつは俺のことどう思ってるんだろう。
『…木更津っ///好きっ////』

「あわわあわあわ…」
なに妄想してんだ俺!!!!!!
あいつは友だちだろ!!ていうかそういう前に男だし!!!!!

「まじで、俺気持ち悪いな、、、」

「…クスス、可愛いわねぇー木更津くん?」
「かかか会長?」
「…もちろん明くんもかわいいわよーぎゅぅー」
「しし幸せです」

キーンコーン
「授業終わったか、、、
…よし、行くか!!」

俺は第二会議室へと向かった

その間通りすぎる生徒たちには怖がられていたけど、そんなことはどうでも良かった

そして、第二会議室前、俺は一応2回ほどノックをして、そろりとドアを開けた

「…大沢?」
そこには、大沢譲治がいた
窓の方に顔を向けていた
心配してたって怒ってやろうと思っていた
思っていたのに
「なぁーに、黄昏てんだよ!」
顔を、顔を見たら怒ってやろう
「てか、何か言えよ~」
俺は大沢を少し強引に体を俺の方に向けさせた
「…っ!!」
「…え?大沢?何で、、泣いて、、」
「…っ!!泣いて、、なんかねぇし、、っ!!」
「…誰がどう見ても泣いてるぞ、、、」
「うるさいっ」
「何かあったのか?」
「…それは、、、
…何もないよ、、、、。
何にもないから大丈夫!」
彼は笑顔で言った
「そんな、、そんな無理矢理な笑顔、されても何にもないのかって納得できない!!!」
「…木更津、、」
「なぁ、、俺、、そんなにお前にとって信用ないのか、、?」
「ち、違うよ!!そうじゃない!!そうじゃなくって、、ただお前に迷惑かけたくないなかっただけなんだ、、」
「だ、だったら、、さ、、迷惑かけてくれよ、、、いいんだ、、俺迷惑かけられても」
「木更津、、」
俺は大沢を抱きしめた
「え?あっ、き、木更津?何を?」
「ごめん、、嫌だよな、、でも今だけ、、今だけこうさせて、、」
「…嫌じゃ、、嫌じゃないよ、、、
だって、俺は、、多分、、お前のこと、、好きだもん、、」
「…えっ、、今なんて、、?」
「だから!!俺お前のことが好きなの!////」
「……大沢、、、、俺も///俺も好きっ、、だ////」
「ーー木更津///」

な、何だろこの感じ、、何かすごく変な感じだ、、
「…木更津、、、」
「…な、何?」
「…名前で呼んでよ」
「…えっ、」
「…嫌なの?」
「……
じょ、、じょう、じ
譲治///」
「…やばいね、、名前呼ばれるの」
「…俺もなんかへんな感じ、、」
「…なぁ、木更津、キスしてもいい?」
「えっ?あ、、いい、、ぞ、」
「うん、じゃあ、遠慮なく…」

彼の顔が近づいてきている
俺の心音はだんだん大きくなる

「…あ、ああ」
「…え?譲治、、?」
「あああああああああああああーーーーーーーーー!!!!!」
「…?!譲治?!!!おいどうしたんだよ!!譲治!!」
「ああああああああああああああああああーーーーーーーーー!!!!!
…ーーーーーーーーーメモリーをデリートします。」
「……じょう、、、」

彼の顔に黒い線のような紋様なようなものが出てきた
「……」

「削除完了」
そう言ったとたん、彼の紋様はすーと消えていった
そして彼の目は死人のような目をしていた。


「じょう、、じ?」
「…」
彼はその死んだ目で俺を見るなり、すぐに第二会議室から出ていこうとする

「おい!!譲治!!」
俺は止めようとして彼の腕を掴む

バシィッ!!
彼は力強く俺の掴んだ手を振り払った

「触るな。僕に触るな木更津直也
そして今すぐ僕の目の前から消え失せろ

感情のない声で言った

「え、、なに言って、、、
さっきまで、、俺ら、、、」

俺の目が涙で滲んできた

「…僕は、新人類殺戮兵器。
すなわち、機械人間〈サイボーグ〉
名は、大沢譲治
人間だった僕はもういない」

「え、いないって、、どういう、、」

「木更津直也、貴様は人間だった僕にとって何だったんだ?」

「何って、、、」
-----俺、多分お前のこと好きだもん
ーーーーーなぁ、木更津、、俺さぁお前のおかげで変われたんだ

「……!!
…違う、、、」

「…?」
「譲治は、いなくなってなんかない!!!
消えてもない!!
死んでもない!!!
だって、ここにいるから
ここにいるからお前が、
お前が、、譲治が、、、」

「…何回、、何回僕の腕を掴む?
離せ…木更津直也」
「嫌だ!!」
「もういい!…うっとおしい」
彼は俺の手をまた、振り払い
とうとう第二会議室から出ていった

「……あ、、」

「…うじ、、じょう、じ、、は、はは、、
ははは
…うぇ、うぁ、、うぁーーーーーー!!!!!
何で、何で、何で、!!!」

この日もう、夕方だというのに腹立つくらい空が青色だった

「……只今戻りました。教頭先生」
「やぁ、おかえり大沢君」
「……」
だって、ここにいるから
ここにいるからお前が、、譲治が、
ズキンーー、
「……ズキ、、?」
「…どうしたんだい?胸を抑えて
どこか痛むのか?」
「…いえ、、大丈夫です
何でもありません」


「…あらあら、貴方の泣きじゃくった顔が見れるなんて、今日は運のある日だったのですね。」
「…柏原、、唯花、、生徒会長、、??」
「…木更津くん?
わたくしは知っていますよ?
貴方の知りたいことを」
「……え、?!」
「…貴方が可愛いから教えてあげます。特別に。可愛い譲治くんのことを」
「……」

「対リリッター義手義足型武器、、を知っていますか?」

「…義手義足型の武器なんて聞いたことないぞ!!」

「…当然です。それは教頭先生が独自で作った武器ですからね。
教頭先生は探していた、その武器の試用検査に協力してくれる人材を、、、
それに、、選ばれたのが、大沢譲治」
「…新種の武器の試用検査に協力する生徒は少なくない、、それがどうした?」
「木更津くん?教頭先生が作った武器は義手義足型ですよ?試用検査の実験体になれば、四肢を切断される」
「…え?、、、じゃあ、、あいつは、、、
…でも四肢切断すると言われてはいと答えるわけないだろ、、普通は、、」
「ええ、普通に頼んだら普通に嫌ですと言うでしょう。
そんなことは教頭先生も頼む前から気づいています。だから、教頭先生は脅すような頼み方で、譲治くんを実験体になることを了承させた」
「脅す、?脅すって、、」
「譲治くんが無理なら、木更津くんに頼む
と彼に言ったのです。
彼は気づいたのです。教頭先生はおそらく木更津くんに頼むときも同じような頼み方をする。きっと木更津は、断ったら俺が身代わりになると思ってしまう。
とね。
だから彼は決めたのです。貴方を身代わりにさせないために、実験体になることを了承した。」

「…そ、そんな、、、あいつ、俺のために、、」
「そして、あの義手義足、、使用者の能力強化だけではない、、、副作用があるのです、。
使用者にあった本来の人格を眠らせ、新たな人格を形成する。」

「私は知りたいです。
木更津くん?あなたがどうするのかを」
「…?!っ!!
俺は、、」
「教えてくれますか?
私は聞いていますよ?」
「俺は、、、」
「はい、」

『俺はこの学校を壊してやる』

「…あの言葉、、」
「言葉、、、?」

…そうだ、あのとき、譲治が迫海道に言った言葉、、、


『…おい!!大沢!』
『…何?木更津』
『…さっき、迫に言ったこと、、本気、、なのか、、?』
『…本気だよ。
迫はね昔か真面目すぎるからさ、これくらいのことしないと、、、

…木更津、、
おれはさ、、、俺さ、、守りたいんだ
友達を、、、』


ああ、、そうだ、、、大沢譲治はいつも願っていたんだ

友達を、大切な人を守りたいと、、、

「木更津くん?どうしたんですか?黙りこんで」

「俺のせい、なら、、
俺はあいつの代わりに、、、守りたい、、、、
あいつの大切なものを、、迫海道を、、
そして俺は言うんだ、譲治に、、言ってやるんだ。

お前を必ず救ってやると、!!!」

「…木更津くん?私、聞きましたから。
あなたのその言葉、、
実現できた日を楽しみにして待ってます。」

いつのまにか、、空が夕焼け色に変わっていた、、、


「…迫!!!」

「…木更津、、?
珍しいな、、
てかまだ帰ってなかったのか」

「俺がこの学校を壊してやる!」
「…その言葉、前も譲治が言ってじゃねぇか。
しつこいな、、」