私は、みんなと違うらしい
みんなと同じように、保育園に通わされ、小学校、中学に通って、受験を経験し、高校に通っている。

みんなと同じような道を辿って来たはずなのに、

「嘉山まこは、人間じゃない」

みんな私をそう言っている。

何故そんなこと言われるのか
何故そのように思われているのか

何回考えても
気が遠くなるくらい、脳みそを使っても

その理由がわかることはなかった

リリッター

第1話

嘉山まこの理由


「では、クラス委員を決めようか
誰かやってみたいやついるか?」

新学期、新しいクラスの新しいクラス委員を決めるHR

新しいクラスの新しい担任教師の質問に誰も反応をしない

30秒ほど沈黙が続いた

私はその沈黙のなかで、何故教師は学習しないのかって呆れていた

誰もクラス委員というそんなめんどくさいことしたいなんて思うはずがない

そんなこと、したいと思うやつは

内申点あげたいとか考えてる下心があるやつか、よっぽど物好きな変り者だけだろう

生憎、このクラスには下心野郎も物好きもいないみたいだ

「なんだお前ら?クラス委員になったら良いことたくさんあるぞ?」

良いこと?
めんどくさいことの間違いじゃないのか?

担任教師の発言の返答としてそう言ってやろうしたとき

返答する前に担任教師がまた口を開いて言葉を吐く

「誰もクラス委員になりたがらないからさ、先生たちも考えたんだよ
クラス委員になったやつにはな、


リリッターと話す権利を与える」

は?

何を言っているんだ
リリッター?
なんだそれ

私はそう思った

「リリッター?何だよそれ」
私が思ったことまんまのことを、イケメンで有名な迫海道が言ってくれた

「迫、お前成績良いくせして、そんなことも知らないんだな」

いやいやいや、誰も知らねえよ
初めて聞いたよその言葉

「いや、知ってるよ、」


「は?知ってんの?」

ヤバい!!
思わず声を出してしまい、私はそう思った

「…」
迫海道は無言で私を見てくる
その目は少し怖かった

「迫君、、、?」
「嘉山まこ、、」

ちょっとショックだった
異性なため彼とは親しいわけではなかったが、同級生にフルネームで呼ばれることは、少し心が痛かった

「嘉山まこ、、お前は、、」

さすがに二度目は耐性がついていると思ったが、またショックを受けてしまった

だが、そんなショックも彼の一言で恐怖に変わった

「お前は何故ここにいるんだ?
お前は何故生きているんだ?」

…は?何を言っているんだこいつは

「お前は確かに、この手で俺が、いや、俺たちが殺したじゃないか
俺は確かに、お前がこの手によって殺され、息絶える瞬間を見たぞ
なのにおまえ嘉山まこは何故か生きていて何故か俺たちのクラスメートをやっている」

「ちょっと言ってることがわからないのだけれど、、」

私の脳みそはパンクしかけている
彼が何を言っているのか、思考が追い付かない

「忘れているのか、、もしかして記憶操作して、一時的な記憶喪失状態になっているのか?」

いやいやいや
「いやいやいやいやいやいやいやいやいや
何を言っているの?私は今まで普通に生きて普通に高校生活送っているだろう?」

「それは昨日の授業が終わるまでの話だろ

その後俺たちは嘉山まこを殺害した」

…あれ?何か 話のつじつまが合わない

「授業、、?
さっき始業式をしたじゃない
昨日までは春休み
授業なんてないはずよ」

「始業式、?
始業式は1週間前にしたぞ
さっきのは、全校生徒HRだ」

ぜ、全校生徒HRだと、?!

「そ、そんなのありえない!!」
私は焦りながら後ろの行事表を見て確認した

今日の日付は4月15日
そこにはたしかに
4月7日始業式
と書かれてあった。


それは、私がおかしいことを証明してくれた

「そ、そんなことって、、、てか、、
迫君、、、今さら感半端ないのだけど
何故私を殺した?のだ、」

「…それはお前がリリッターだったから。」
「リリッター、、?そのリリッターって一体、、」

「リリッター、能力知能特化人間。ありとあらゆる能力のなかの一部が特化した人間、、
それは、人間の常識をはるかに超え、大変危険な存在である」

はい?人間をえる人間?私が?
私は普通の人間だろ

「ここは、リリッター討伐隊育成学校高等科2年3組
リリッター嘉山まこを進級する前に必ず消してやる」
迫海道の言葉はたしかに
「まさか、これから敵となるやつが迷いここんでたなんてな。」
彼の言葉はたしかに私の普通だったはずの日常を終わらせてくれた
私はまだ知らない
この場所が地獄だったことを