甘いあなたと裏腹なことば


季節は夏

蝉が青々とした木で鳴いている

もうすぐ夏休み



「行ってきまーす」


普段通り学校へ向かう


「うわー、暑いなあ」


涼しい家を出て1分、汗が滲みそう


「柚香ー!待って!!」


そんな私を追いかけてきたのは


「あ、お姉ちゃん」


姉の柚紀(ゆき)だ。


「ちょっと柚香、お弁当忘れてたよ」


「あ、ほんと?ごめんね」


「もー!気を付けてよね!」


姉は優しく、ふんわりとした笑顔で私を叱った


私の姉はとても可愛い。


見てて癒されるというか、和むというか


そんな姉に憧れて私は姉を真似た

現在高校3年生の姉の高校はとても校則が緩い。

だから姉は高校生になってすぐ、暗めの茶色に髪を染めた

私はそれを真似して中学を卒業してすぐ髪を染めた

母は髪を染めた私を見て

「お姉ちゃんに似てるわね」

と微笑んでくれた

でも私は、全然似てないと思っている

…きっとこれから先も姉みたいにはなれない