ある時廊下で正都とすれ違ったときがあった。
むこうは男子何人かに囲まれて、というか一緒にいて。
楽しそうにしていたよね。
でも向こうから私が歩いてくるのに一番に気付いたのは、周りの男子で。
「あ!正都~!彼女が前から歩いてくるぞ~!!!」
「チューしてこいチュー!!笑」
「おまえそれはやべえよ~」
馬鹿にする男子たちの笑い声が嫌で仕方なかった。
私は一気に恥ずかしくなって走って通りすぎた。
正都はどう思ってたのかな。
走り際に少しだけ見えた正都の表情は、今でも忘れられない。
私たちはもう前みたいに仲良くなれない。
そう思った。
