帰り。
裕汰の提案で一緒に帰ることになったので遠回りをしながら歩く。


「ここは東京にしては落ち着いてていい場所だな…」

俺は夕日をぼーっと見ながら歩いていた。

「そうだぞ!ここはいい場所だ!たーんと思い出を作るがいい!!」

そう言いながらハッハッハと大袈裟に笑ってスキップする裕汰を見ていた。
こいつといると安心する。
本当に…

「ありがとう…。」

裕汰は一瞬びっくりしたような顔をした。

「いいってことよ!」

へへっと笑うのは裕汰の俺を安心させてくれる得意技だな。

そんな話をしていると俺の家が見えてきた。

「あ、ついた。俺ん家ここだから」

「え!?そうなの!??」

「そんなに驚く事か?」

裕汰の驚き様に俺は笑う。
でもそんな俺の言葉にもの凄い勢いで

「俺ん家そこ」

裕汰が指さすのは…

「うぉえぇぇぇ!!??向かいの家じゃんか!!」

「うぉえぇって…おまっ…やっぱり…うっ…おもしれぇよ!!」

裕汰は腹を抱えて笑った。

「あ!そうだ!これから朝一緒に行かねぇ?」

いいよと言おうとしたが、自分が明日日直なのを思い出した。

「あ、明日は先生に早く来いって言われてるから…」

「そういえばそうだったな。じゃあ明後日から!!」

俺が頷くと裕汰はスキップしながら家に入っていった。