そんなふうに幸せに浸っていると終わりのチャイムが鳴る。

「じゃあ今日はこれでおわり!」

先生は少し話をしてから号令をかけさせた。

周りはもうキャーキャーしている女子やふざけ合ってる男子しかいない。

「早く帰れよ〜?」

先生のその言葉に

皆がぞろぞろと帰っていく中先生に呼び止められる。

「あ、明日日直早く来いよな〜」

「えー、俺朝弱いのに…」

「よろしくな!」

そう言って名簿で俺の頭をぽんと叩く。

やっぱり…チャラい。

「先生さよなら〜」

「おぉ!さようなら!」

「天谷ばいばーい!」

「呼び捨てするな〜!」

そう言うと俺にやったように頭を軽く叩く。
じゃあ、あまやんといって呼び捨てではなくあだ名を提案した。
それに対して「それなら…」と了承する天谷。

それを見ていると首に誰かの腕が巻かれた。
振り返らずとも分かる。赤いし。

「よーし!!行くか!!」

「え?どこに!?」

そんな俺の声は裕汰の耳には届かなかった。