「いや~四月なのにまだまだ寒いね~やっぱり北海道は寒いね」
俺達は近くのカフェに来ていた。
ちょうど昼前で人は多く店内は賑わっていた。
俺の前に座る公園で歌っていた彼女、雪はメニューを見ながら楽しそうに言った。
俺は大きなガラス窓から外を眺めた。
人通りは多く、いろんな人がさまざまな格好をして歩いている。
雪は降っていないが、少しだけ積もっている。
「結人何にする?あたし、このミックスベリーティーにしよっかな~」
雪は独占していたメニューを俺に見せ、期間限定!とページにデカデカと載っているミックスベリーティーを指差し微笑んだ。
「俺は、コーヒーでいいよ」
「へ~結人コーヒー飲めるようになったんだね。中学の時はあんなの苦くて嫌だ~って言ってたのに」
あの頃と同じように笑う雪。まるで時間が戻ったかのように感じる。
雪はあの頃と全く変わっていなかった。
「えっと…コーヒーと、キャラメルマキアートを一つずつお願いします」
いつのまにか雪が店員を呼び注文を済ませていた。
「…ミックスベリーティーじゃないのかよ」
「気が変わったの」
ニンマリと笑う雪。いろんな笑い方をする雪はやはり一緒だ。
