それから俺と雪は遊園地を回った。

コーヒーカップに乗り、メリーゴーランドに乗って、ショーをみた。

雪はいろんな表情をみせ、俺を楽しませてくれる。

こうしていると、今までのことがまるでなかったかのようにあの頃に戻ったみたいだ。

「なぁ雪、次あれ乗ろうよ。ジェットコースター。雪、ジェットコースター好きだったよな?」

目の前に高くそびえたつジェットコースターはここらではなかなか怖いと有名なもので、初めてのデートで雪は何度も何度も乗って俺は吐きそうになった思い出がある。


すると今まではしゃいでいた雪の顔が一瞬曇った気がした。

が、しかしそれはすぐになくなりまた笑顔をみせた。


「じゃあ、どっちが乗るかじゃんけんで決めようよ!いくよ、じゃんけん、ぽんっ!」

全身を使って大きく手を振りかぶる雪に俺は慌ててパーを出した。

そして雪はグーを出していた。

「あ、私の負けか〜。残念〜。てことで、結人乗ってきていいよ!」

「え、俺が乗るの!!?普通逆じゃない!!?」

「いや〜勝った人があれに乗る権利を与えられるんだよ〜さすが結人だね!てことで、いってらっしゃい〜」


強引に雪に押され、俺はあっという間にジェットコースターに乗らせられてしまった。

キリキリと機械音がするジェットコースターから満足そうな雪の顔をみながら俺はそのまま落ちていった。