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雪が指定したあの遊園地に来ていた。


時計はちょうど11時を指している。


俺はそわそわしながら雪を待っていた。


この日は2限から大学の講義があったがもちろんそんなのより雪を優先する。


久々の雪とデート。しかも遊園地。


中1のとき、付き合って初めてデートしたのがこの遊園地だった。

だから雪と俺にとっては思い出の遊園地。

平日ということもあってか、人は少なくすぐに乗り物に乗れそうだ。


「ごめん、お待たせ。遅れちゃった」

目の前にちょこんと現れたのは、ベージュのダッフルコートに白いニット、ピンクのフレアスカートを身にまとった雪だった。

急いだからだろうか、白く透明感のある頬は赤く染まり、目は少し潤んでいてとても魅力的だ。


「いや、大丈夫。俺も今来たところだから」

本当は待ちきれなくて30分前に来てたけど。

「ほんと?よかった」

安心したようにくしゃっとはにかむ雪がまた愛らしい。

「じゃあ、早速行こっか」

雪は俺の手をとってはしゃぐ子供のように言った。

雪の手はひどく冷たい。けど雪に触れられた部分が次第に熱くなっていくのがわかる。