1人でまぁなんかして時間潰そうって思ってた。が、しかし先客がいた。

唯一あるジャングルジム。


そのてっぺんで立ってる女の子。

怖くないのかな…なんて思ったのは最初だけ。その直後俺はその女の子から目が離せなくなった。
風と木の葉の音にかき消されそうなか細い歌声。だけどその声はとても力があって、意思があった。


上手いんじゃない、けど心動かされるなにかがある。

俺は思わず手に持っていた給食袋を落としてしまった。

その音に振り返った女の子の表情はとても悲しく、切ない、そして光がない目をしていた。