「いやだ、いやだ、いやだ!!!お願い、行かないで!!私を捨てないで!見捨てないで!!お願い!!いい子になるから、私、もう、これ以上、失いたくない…」
お願い、お願い、お願い
行かないで逝かないでイかないでいかないで
私を置いて逝かないで
「………………大…丈夫……だょ、ゆ……き」
彼は涙でボロボロの私の顔を血に塗れた腕でそっと撫でた。
そして力なく笑った。
「………大丈夫なんかじゃない。大丈夫なんて、大丈夫じゃないの……ねぇ、お願い、大丈夫なんて言わないでよ」
首をふって私は言った。
それでも彼は言った。
「………………俺、は………雪を…………見……捨て……たりしない、よ……」
