大好きな3人へ



それからのことはあまり覚えてない。

泣きじゃなくる私を、お母さんの姉であるおばさんが迎えに来てくれ、育ててあげると言った。

"不甲斐ない妹でごめんね、ちゃんと側に居てあげられなくてごめんね。"

おばさんはそういって最低限の荷物を持って私を北海道へと連れて行った。




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おばさんの家に来て、1週間が経ち少し落ち着いた。

明日からは学校にも通うことになる。

本音を言えば行きたくないが、おばさんに迷惑はかけられない。

あれ以来私は人の目を見ることができない、笑えない、そして"ごめんなさい"が口癖になった。

「おばさん、少し散歩に行ってきます。5時には帰ります」

家にいてもなにもすることがなく居心地が悪い私はここにきてしょっちゅう外を出歩いていた。

そこで見つけたのがこの公園。

なんもない殺風景な公園で、人も少なく、風で揺れる葉の音がとても心地よい。

中央にポツリとあるジャングルジム。

今日もそのてっぺんで空を見上げる。

空を見ていると、お父さんやお母さんも同じ空を見ているんじゃないかって、そうしたら繋がってるように思えるから。


お父さん、お母さん、私いい子になるから。そしたら迎えに来てくれるよね?


私はいつものメロディーを口ずさんだ。


私が寝るとき、いつも歌ってくれていたあの歌。

私が大好きなあの歌。

"これはね、お母さんとお父さんの思い出の歌なんだよ。この歌のおかげてお母さんとお父さんは出会えたの。いつか雪にも、素敵な人に出会って素敵な恋をしてほしいなぁ"

そう言っていたお母さんは本当に幸せそうだった。

それを壊したのは私。

私が、子供で、非力だから。