大好きな3人へ



"大丈夫、大丈夫だよ。"

"お父さんがなんとかするから。"

"お母さんがなんとかするから。"

"また、前みたいに3人で幸せに暮らそうね。"

この台詞は何十回と聞き飽きた。

お金なんてなくても、愛があれば幸せなんだよ。

そういっていたお母さんは莫大な借金を返すため夜な夜な街へと出かけるようになった。

私は子供だから、お母さんが何をしているなんてわからない。けど、お母さんはお金のために愛のない何かをしているんだと、隠れて泣いているお母さんをみて理解した。

本当は大丈夫なんかじゃないことを私はわかっていた。

けど、私には信じることしかできなかった。

お父さんが、お母さんが大丈夫だって言うんだ。

だから、大丈夫なんだ。

信じよう。

きっと、大丈夫だから。