俺はどう話を切り出そうか迷っていた。

なんであの時消えた?
どこへ行ってた?
何をしてた?
どうして連絡くれなかった?

聞きたいことがまとまらず何も言えなかった俺に雪はこういった。

「ねぇ結人、どこか行こう?」

「どこかって、どこに?」

「遊園地、ショッピング、水族館…あ、それに動物園にも行きたいなぁ。ゲームセンターにも行きたい!」

両手を使って指を折り数える雪。

「なんで?いきなりどうして…」

「結人、約束したでしょ?いっぱい思い出作ろうって。だからその約束叶えに来た。結人と色んな所に行きたいの」

ちょうどその時に注文したコーヒーとキャラメルマキアートが来て雪はカップに口をつけそう言った。

両手を温めるようにカップを持ち、熱そうに飲む雪はとても儚く見えた。

「…雪、今まで何してたんだ?どこへ行ってたんだ…?」

「…今は秘密。結人が、あたしと遊んでくれたら教えてあげる」

雪は俺の目を見ずにそういった。

ふと窓に目をやると雪がしんしんと降り始めていた。

「…あぁそうだ、真美と京に会いに行こうよ。2人もずっと雪のこと捜してたし心配してたんだ。だから…」

携帯を取り出して俺はメールを送ろうとする。けど雪は俺の手を掴みそれを制する。