母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編

 お寿司が美味しいってはよく聞くけど、
「面白くない」っては、初めて聞いた。

「へー、板さんなんて?」

「シアトルは港町だけど、ほとんどの
食材は、カリフォルニアから、空輸だって」

「え!シアトル近海で捕れたてじゃないの?」

「残念ながら、シアトル近海のは、水っぽくて
使えないんだって」

「えー、だからマグロは高いのかー」

「そうだって。ちなみに近海物は、『貝』」

「え?それだけ?」

「うん、今日はそれだけだったって。
確かに安いし、うまかったよ」

「で、いくらだったの?」

「$35、でも予算オーバー」

「ちょっと、日本円で5千円くらい
じゃない!」

「そう。
だって$100あれば、一週間暮らせるよ!」

 それを聞いて、私は、あさひは、私より
貧乏かもしれないと思った。

 でも、前向きに考えれば、しっかり者
ってことだから、悪いことじゃないよね。

 宿に帰って、みんなでまったり。
時間はもう、午後16時を回っていて、
なんか、すっかり夕食気分。

 あれだけお寿司を食べたのに、お腹が
空いてきた。

 寧子の、

「そろそろ夕飯考えないと?」

の声で、みんなが動き始めた。