母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編

 寧子はそう言うと、奥に鞄を取りに行った。
戻ってきた寧子に、

「さっき、Ashのアパート行ったんだけど、
鍵締まってて、中の様子わからなかったんだよね」

 それを聞いた寧子は、

「昨日行った時は、鍵開いてたから、
もう、熱下がって学校行ったんじゃん?」

 そう言った。
私もそう思ったけど、昨日の様子だと、
とてもそんな元気はありそうも無かったから、
もしも、熱が下がってても、一日くらいは、
安静にしていたほうが、いいと思った。

 とりあえず、寧子のママに挨拶して、
急ぎ足で、学校に向かった。

 途中、ミチ君達も合流して、賑やかに歩いていると、
図書館前のベンチで、勉強しているあさひを見つけた。

「ああ、もう熱は下がったみたいだな」

そう思ったものの、寧子やミチ君は、
週末のシアトル行きの話で盛り上がっていて、
あさひには気が付か無かった。

 私はあさひのことが心配だったけど、
ミチ君を初めみんなの手前、いきなりあさひの所へ
駆け寄ることができず、ただ遠くからあさひを
見ていた。

 もちろん、勉強をしているあさひが、こっちに
気がつくわけもなく、2人はスレ違いになった。