須賀の事が好きだよ。


これでもかってくらいに私の気持ちをねじ込んで。


どれくらいキスしていたのかわからない。
ただ、私も須賀も、呼吸が乱れるほどキスしていた。


「………お、まっえ、何するんだよ。」


そう言って須賀は手の甲で自分の唇をぐいっと拭った。
そんな須賀は、顔も耳も、真っ赤っかだ。


そんな須賀の顔を私は両手で包む。


「………私は、須賀が好き。」


触れているとわかる。さらに熱を帯びてくる須賀の顔。



「は、はぁ?なにいってんだよ!?恭華は、見合いとか嫌なんだろ!?ちゃんと恋愛結婚したいんだろ!?」


ぐいっと私の手をつかむと、自分の顔から離す。


私は須賀の目をまっすぐ見る。


「そうだよ。恋愛してから結婚したい。」


「じゃ、じゃあその相手は俺じゃないんだろっ!!」


私をどかそうとする須賀。でも私はギュッと須賀に抱きつく。


「してるよ。恋愛。これでもかってくらい。須賀に会いたくて。ヤキモチやいて。思ってもないこと言って。須賀の態度ひとつで、泣いたり笑ったりしてるよ。これが、恋じゃないなら、なんなの?」



須賀にもう一度キスする。

「……私は須賀が好き。須賀と………伊織と恋愛して結婚したい。伊織は?」


「こんな時に名前で呼ぶなよっ!俺は……」


「どちらかと言えば、なんて曖昧なことは言わないで。」


私がそう言うと、伊織は手で顔を隠す。


「………好きだよ。ずっと。高校の時から、恭華のことが好きだった。あーもー!!まじで恥ずかしいからっ!」


そう言ってさらに顔を隠す伊織。


「ねぇ!ねぇ、伊織ってば。顔見せてよ。」


「嫌だよ!絶対、赤くなってるし!かっこわりぃ!」


私は胸の奥がじわじわと暖かくなってくるのを感じながら、伊織の手をどかそうとする。