心臓が止まりそうになる。


私は息をのんで、もう1度だけ確認する。


「誰と、誰が、結婚するの?」


再び食事を始めた須賀は、こちらを見ることもなく答える。



「俺と、お前が。」



「………須賀は、私の事嫌いでしょ?私もあんたと結婚とか考えられない。」



「お前酷い事言うね。俺はお前の事好きだけど?昔から。」




さらっと言われた爆弾発言に再び心臓が止まりそうになる。



「すっ!すっ!好きぃっ!?」



「うるさいな。高校の時から好きだったけど?どちらかと言えば。」



「はぁ?どちらかと言えば?なにそれ。ていうか、高校の時から私に嫌みばっかりだったじゃない。」




「お前の悔しがってる顔が好きでね。」



そう言って須賀は、思いだしたのか微笑んだ。



「はぁ?と、とにかく!結婚なんてしないからっ!」



「いや、もう決まってるし。」


「決まってない!あのね、結婚っていうのはちゃんと恋愛をして、プロポーズをして、二人で決める事なの。突然、親が決める事じゃないわけっ!」



私はドンッと机を叩くとシワになろうが、眉間にシワを寄せ須賀に詰め寄った。


「……めんどくさ。まぁ、しょうがないから式までの半年間。お前のその恋愛ゴッコに付き合ってやるよ。」


そう言うと須賀は立ち上がり私の横にしゃがみこむ。


「な、なによ。っていうか、私が言いたいのはそうじゃなくっ………」


て。



と言い終わる前に私の唇は塞がれていた。


須賀 伊織の唇によって。