恋する気持ち。

***

5時までのあと15分が待てなくて私はマンションの外で須賀を待っていた。

必死にパックして、恋するピンクのチーク&リップにいつもはまとめている髪を緩く巻いておろした。

本当はワンピースでも着たい気分だけどさすがにそれでは、ウキウキしすぎだなって思い、オフホワイトの鎖骨がキレイに見えるブラウスに、いつものデニム。
そして赤のピンヒール。


あーやっぱり、スカートのがよかったかな?


なんて思いながら立っていると、静かに黒色の高級車が停まる。


スーっと運転席の窓が開く。



「おまたせ。」



そこには、眼鏡をしていない須賀がいた。



「あ、うん。おじゃまします。」


緊張しながら助手席に腰かける。


ちょっと待って!眼鏡なしとか色気がだだ漏れで、もうまともに顔が見れない!

「行きたいとこは?」

なんて、須賀が流し目で見ながら聞くから私はその、色気にクラクラしてしまう。


「あ、っと、………」


私から誘ったから何か言わなきゃと思うのに、緊張して、ドキドキして、頭がうまく回らない。


車が赤信号で停まると、須賀は両腕をハンドルにかけて、私の顔をじっとみる。


私は須賀の色気のある瞳と、涙黒子から目が離せない。


「なんか恭華、変だよ。」


そして私から視線を外さずに須賀は私の顔に手を伸ばす。


私は思わずギュッと目をつぶる。


き、キス!?


なんてやましいことを考えていると、須賀はすっと私の顔を触ると、すぐ手を離す。



「髪、かかってたよ。」



そう言って、信号が青に変わりまた前を見て車を走らせる。



「え?ああぁ、ありがとう。」


変に意識してしまって、うまくできない。
もういい年なのに、好きな相手にスマートにできない。
私ったら、今まで何してきたんだろっ!!



「あの!き、今日は眼鏡してないんだね。」


「あぁ。あれは伊達だから。別に目が悪いわけじゃない。」


「ええぇ!伊達だったの?」


「まぁ。なんていうか、女避け?」

「はぁ?なにそれ。」

「ほら、素顔だと俺の色気が漏れちゃうだろ?」


私はポカーンとして須賀を見る。


「ちょっ!そこは笑うところだろ!」


須賀は笑いながら、片手で私の頭をぐしゃぐしゃにする。


もう、せっかく髪巻いてキレイにしたのに。でもその笑顔が見れるなら、どんなけぐしゃぐしゃになってもいいや。