布団に包まれながらウダウダといろいろ考えていると、ケータイが鳴る。

ひょっとして、

と思わず期待してしまう。


ディスプレイに映し出された文字は
『須賀 伊織』

私は布団から飛び出るとなぜかベットの上で正座をしてしまう。
早く出なきゃ切れてしまうのに、なぜかとても緊張してなんども深呼吸を繰り返す。


あぁ、こんな気持ち久しぶりだな。


そして電話にでる。

「も、もしもし。」


「………………。」


「も、もしもし?あれ?聞こえてる?」


「…………………。」


「おーい!あれ、切れた?」



「………繋がってるよ。」



何度か呼び掛けてやっと出る須賀。


「もうっ!聞こえてるなら無視しないでよっ!」


「……お前なぁっ!はぁー。気分はどうだよ?」


電話越しに聞こえてくる須賀の不機嫌な声。


「おかげさまで。よく寝たので大丈夫です。」


昨日はありがとう。
って素直に言えない自分が嫌になる。
壁にもたれて体育座りをし、片手で布団をギュッと握りしめる。


もっと素直に。もっと可愛くなれたらいいのになぁ。


「あっそ。じゃあな。」


「えっ!?あっ!ちょっと待って!」


「………何?」


電話を切られるのが嫌で思わず引き止めてしまう。