お見合い当日。


私は振り袖を着て、ただちょっといいお昼御飯を食べに行くくらいの軽い気持ちでこの料亭を訪れた。



案内された部屋にはすでにお相手が座っていた。


11年ぶりに見る須賀 伊織は、もともと整った顔だったけど、さらに大人の色気のようなのも感じ、確かにイケメンだと思った。


始まって、1時間。


何かがおかしい。
お互いの両親の会話。
たまに話す、須賀の話。


そして決定打。


「ではまぁ、顔合わせはこれくらいで。今度は正式な結納をしましょう。早い方がいいですね。次の大安などはいかがでしょう?」

そう、須賀のお父上が言うと

「えぇ、もちろん。」

と私の父が答える。



「ちょっ!!どういうこと?今日はお見合いでしょ?」


焦る私に、両親はニンマリと笑って答える。


「いや、今日は結納前の両家の顔合わせだ。半年後に式をする予定だ。あぁ、籍は先に入れてしまいますか?」



ありえないっ!ちょっと待ってどういうこと?
今日はお見合いではなくて、顔合わせ?
ってことはもう、結婚するのは決定ってこと?


そんな話、納得できない!!