「なにも背中を全力で叩くことないだろ。お前のせいで背中に手形がついた。どうせならもっと色っぽい跡残せよ。」



そう言いながら、ルームサービスで届けられた朝食に口をつける須賀。


私はというと大好物のフレンチトーストに大興奮中。


「うっわ!まじでおいしいっ!フワフワー!ねっ!須賀も食べてみる?」

そう言って一口サイズに切り分け、フォークで須賀の口に運ぼうとする。
その瞬間 。須賀の顔は、耳まで真っ赤になる。

「なっ!なんだよっ!いいよっ!お前食えよ!!」

私の手首を押さえながら、顔をそらす須賀。

ひょっとして。


「恥ずかしいの?」


さらに赤くなる須賀。
うるせー!と言いながら顔を隠す。
私は須賀の手をとり、「ハイ、あーん!」
と須賀に食べさせる。


「ねぇ。おいしい?」

須賀の顔をじっと見つめると、チラッとこちらを見た須賀はさらに顔を赤くする。



「うるせー!味なんてわかんねぇよっ!」


「アハハっ!どんなけ顔赤くするのよっ!以外に純粋じゃん。須賀。」


そのあとも私はひたすら笑っていて、あーん!って須賀をいじめて、赤くなる須賀を可愛いと思った。


あぁなんかちょっと思い出した。


昨日、眠る瞬間思ったこと。


『私べつに……あんたのこと……』


嫌いな訳じゃない。


そう思ったんだった。