3月の日々


「で、彼氏ってなに⁉︎
実希の初彼 見てみたい‼︎」

「3人目だし。」

いや、別にそこは何人目でも良くない⁇

「知らない間に そんな彼氏いたの⁉︎
やばいて、モテるんだね、オーストラリアだと。」

「なにその隠れ爆弾発言。
未来はどうなの⁇」

「これ、旦那。」

未来は、俺の方を指差した。

「いや、まだ 結婚してないじゃん。」

透哉さんが軽ーくツッコミを入れる。

「嘘言ったな⁇」

「でも、もうすぐだもん。

真っ赤な嘘ではないよ⁇
……薄いピンクくらいの嘘⁇」

薄いピンクくらいの嘘、って初耳だよ。

「いや、初めて聞いたから その言葉。
薄ピンクって何⁇」

実希さんも同じことを思っていたらしい。

「全部が嘘じゃないけど、ちょっとだけ嘘……的な⁇」

「いや、 "的な⁇" って私が聞いてんじゃん、未来が分かんないのに私に分かる訳ないじゃん。」

「2人、1回 落ち着いて。
皆……特に燕君 目 白黒させてるから。」

普段、生徒の相手である程度の口喧嘩には慣れているけれど ここまで高速マシンガンな口喧嘩⁇言い合い⁇は 初めて見るから……更には 兄弟喧嘩している人を見るのも初めてだから、色々 ついていけない。

「燕、おーい……見えてるー⁇」

未来が俺の目の前で手をブンブン振ってる。

「え……⁇
あっ、あぁ……見えてる見えてる。」

突然、俺に話を振られたもんだから 反応しきれなかった。

「大丈夫⁇未来の旦那。」

実希さんに言われた瞬間 顔が火照って感じた。

他人に言われると、なんだか むず痒くて 恥ずかしい。

「燕の顔 タコみたい。」

未来が真顔で言い、実希さんが吹き出す。
それにつられて、未来も笑う。

「いや、人の顔 見て笑うのは止そうよ。」

透哉さんは、 "やれやれ" といった感じで こちらを見ている。