「……私だって……。」

俺は伊原を抱き寄せ、囁いた。

「絶対に、お前を離さない。」

ぎゅーっと、細い伊原の身体が折れそうなくらい力強く 抱きしめた。

……好きだ。

その思いが溢れ出す。

「ヒューヒュー」

とかって、茶化し始める男子生徒たち。

いつもなら、叱るところなのかもしれないが 今日はそんな気にもなれなかった。

恥ずかしさなんてなかった。

自分がしていることを間違っていると思えなかったから。