3月の日々


勝手にリビングにカバンと脱いだスーツを置いて 洗面所の方に行った。

床に新聞敷かれているのを見て、大体の予想はついた。

「何⁇髪 切んの⁇」

「そうそう、失恋したんなら 髪切らねーとな。」

ベタすぎんだろ。何だよ、それ。

「結構、切る感じ⁇」

「まだ、見てねーから知らねーよ。」

確かに。
翔平の家に来てるはずなのに、まだ翔平の顔を見ていない。