5月のある日。

「.......み」

「..芙未!!」

「な、なに!?」

「話聞いてるー?」

「ごめん...梨華ちゃん」


私は一条 芙未《ichijyou humi》。
4月からこの明桜学園に通っている高校1年生です。

頭も運動神経もズバ抜けて上手いわけでもなく、顔もスタイルも普通以下。

頑張って勉強して明桜学園に受かったものの、わたし以外の女子はみんな可愛くて綺麗でわたしだけ浮いてる気がします。

「さっきからぼーっとしてなに見てたの?にやにや」

この子は宮野 梨華ちゃん《miyano rika》
黒髪の腰まであるストレートで二重の目に白い肌。
まさに美少女。男子からも女子からも好かれている、わたしの自慢の親友です。

「べ、べつになんも見てないよ...?」
嘘です。。

窓の外で、、、

「きゃー!今日もかっこいい」

「如月くぅーーーーん!」

「彼女にしてぇーーー!」

こんな黄色い声がうるさくて見ずにはいられません!
その黄色い声の人たちの中心にいる人......
それは如月 蒼くん《kisaragi aoi》。
頭脳明せき、運動神経抜群、おまけに180㎝くらいある背に、鼻が高く、吸い込まれそうな瞳。
いわゆる〔イケメン〕ってやつです。
それに生徒会長もやっています!

なんでこんなに知ってるかって?
それは....

「ほっといていいの?か の じ ょ さ ん。」

「しーーーーーーー!!!!」

そう、私たちはナイショで付き合っているんです。
知ってるのは梨華ちゃんと蒼くんの親友の
木下 大地くん《kinoshita daichi》だけです。

ナイショにしてるのは、私たちが付き合ってるのを知った蒼くんファンたちはわたしを目の敵にしてくるとおもって、わたしから蒼くんにナイショで付き合うことを提案しました!

でもいくらナイショだからってくっつきすぎじゃないですか??
本人たちには言えないけど...

「わたしちょっとジュース買ってくる...!」

「いってらっしゃーい」

朝からあんなの見てられないよー!

「蒼くんのバカ...」

ーーぐいっ

「きゃっ」

ガラガラーーーーー

ーートン..

「おはよ。芙未」

「お、おはようございます。会長」

「2人のときは蒼って呼んでって言ったよな?」

「お、おはよ。蒼くん」

「よくできました」

ぽんぽん。

「......///」

そう、、、

蒼くんはたまにSなんです。