彼はいつも気分屋で




ドンッと壁に優陽の背中を叩きつけ、その振動で壁にかかってある時計が揺れた。



「そんなにアイツの事わかってんならなんでちゃんと応えてやんねーんだよ!何が真逆だ!お前も好きなんだろ!?ならアイツの気持ちに応えてやれよ!ちゃんと名前で呼んでやれよ!」



「名前なら、お前が呼んでやれよ」



「っ…アイツは、お前に呼んで欲しいんだよ…俺じゃなくて、お前がいいんだよ…」



手を伸ばせばすぐそこにあるのに、なぜお前はそれを掴まない。なぜそれを掴んで、一生守ろうと、誰にも渡さないと、そう思わないんだ。



俺なんか、掴みたくても掴めない。守りたくても守れない。


手を伸ばしても、絶対に掴めないのに。