彼はいつも気分屋で




「前から決めてたって事?」


「うん…。私あそこで優陽を選ぶ事は絶対出来ないって分かってたから、それなら蓮にって思って…。蓮なら許してくれるかなって…」


「許さないって言ったら?」



少し、いつもより強く言ってみた。


嘘。つい、言ってしまった。



「何で俺を選んだ?他にいただろ」


「こんな事頼めるの蓮しかいないよ!蓮は唯一何でも話せる友達だもん。こんな事、他の男の子に頼めないよ。」



頼まれた覚えはないけど、なんて思いながらも、一生懸命言われた言葉が胸に刺さる。



“友達だもん”



そうだ、友達だ。


今の俺には、コイツの友達にしかなってやれない。


その立場でしか、コイツを支える事ができない。


その立場でしか、コイツを助けてやる事ができない。


それで今、充分に幸せなはずだ。







はずなのに、なぜ俺は、これ以上の幸せを求めてしまうのだろう。