「あっ、あれは違くて!ゆ、優陽じゃなくて、空の!空の夕日が好きだなって!ほらずっと前に優陽の家のベランダで見たでしょ?それ思い出して!」
私のバカ!こんなに早口で捲し立てたら怪しむに決まってるじゃん!
「…そっか」
「…え?」
「んじゃあ俺の家来るか?今ならダッシュで自転車飛ばしたら見れると思うけど」
怪しまない優陽を怪しんでいると、「ほら」と鞄に手を伸ばしてくれる
「早く乗らねーと見れねーぞ」
「…っ、うんっ」
鞄をカゴに入れ、自転車の後ろに横向きで乗る
「しっかり捕まっとけよ、飛ばすからな」
「えっ、ちょっと待って!わっ!」