木の陰ではまだ、アイツは1人でいる。 目を擦りながら、1人でいる。 ゆっくり足を進めているとアイツは俺に気付き、何度か涙を拭い、グッと涙を堪えて 「蓮みーっけー!」 と無理矢理作った笑顔で言った。 その笑顔もすぐに崩れ、アイツの目にはさっきよりも大粒の涙が流れた。 そんなアイツに、俺は初めて素直な言葉を口にした。 「よく頑張ったな。」 アイツの頭を優しく撫でて、アイツは俺のシャツを濡らしながら涙を流した。 俺が優陽の代わりになれたら。 あの時も今も、ずっと同じ事を想ってる。