『そんなに俺の顔好き?』
優陽の言葉がリピートする。
フッたくせに、なんでそんな事言うんだよ。
中3の夏。祭りの日だった。
あの日は3人で祭りに行って、夜遅くまで楽しんだ。
人が多かったせいで俺は優陽達とはぐれて、まぁ後でまた会うだろと思い、1人屋台で飲み物を買っていた。
そしたら、ずっと向こうの木の陰から優陽とアイツの姿が見えた。
声を掛けに行こうと思ったが、やめた。
足を止め、周りの音が全て聞こえなくなり、優陽がアイツに背を向けた。少しして携帯が鳴り、画面を開くと「はぐれたなー。時間も時間だし、解散!」と書かれてあった。
まるでさっきの事はなかったかのような文面だった。