すると室内に到着のアナウンスがながれる。



「…降りるぞ愛歌」


「えっ」



手を握り、外へと出る。


暗いのもあってか、周りの人たちからはそんなに見えてないらしい。


少しの間手を繋ぎ、いつの間にかツリーの前へ来ていた。



「蓮、さっき…」


「これからは、ちゃんと名前で呼ぶ。だから…だから愛歌、俺と付き合って欲しい。」



生まれて初めての告白。


声も少し震えて、繋ぎっぱなしの手は変に熱くなってくる。


ツリーの前にはもう時間が遅いからか人も少なく、通る人も出口の方に向かっている。



「…うん。…これからも、ずっとずっと、名前で呼んでほしい。」





愛歌の顔を見ると、もう涙は零れていなく、顔がクシャっとなって笑っていた。



これからは、泣くこともあるかもしれないし、辛い事もあるかもしれない。


だけどその分笑おうと、一緒に色んな事を楽しもうと、そんな事を思った。