結構勢いよく逸らしたもんだから、重い教科書の反動で教科書が床に滑り落ちた。


「あー…やっちゃった。ごめんほんと」


「大丈夫だってば!もう謝るのやめろ」


「でも…このままじゃ戸倉くんにいっぱい迷惑かけちゃうよ?」


「でもごめんってなんか…嫌な気持ちになるじゃん?」


教科書を拾いながら話す戸倉くん。
キラキラと光った横顔に思わず見とれる。


「教科書ありがと。ご…あっ、」


「言ったそばから笑はやいねーー笑」


戸倉くんって天然かな?
普通にカッコイイし、話も面白いし。


さっきから変な態度ばっかりとってるし。
どうしたの。あたしったらあたしじゃないみたいだーー。


「戸倉くん、楽しい話しよ!」


「え。なに急に?楽しい話って話してるから楽しくなるんじゃないの?」


「まぁそーだけど!このままじゃ暇だし。なんか暇つぶしかなー!」


「んーじゃあしりとり?」


学年室について、ドアを開けて机に揃えて置く。他のクラスはもう置いてるみたいだ。


「りんご」


「ゴリラ」


「ラッパ」


「pants」


「なんか発音よくない?笑」


「だろ!笑」