「おいー一応授業中だからな」


「「はあい」」


お互いに睨んだ目を見せつけあって、勢いよくプイっと外を見る。


ほんっと子供。


精神年齢低すぎでしょ。あたしは今日から大人になるって決めたんだよ!!


「はい。この教科書を学年室にもってってねーよろしく」


「ねぇ戸倉くん…」


「どうした?」


「なんで学級委員になってんの…あたしたち」


今にも泣きそう。大切な放課後の時間が学級委員と掃除のお陰で無くなる。


今日は部活見学行きたかったのになぁ。


「翼希千駿が指名したんだろ」


「あーーーもうやだ。千駿のこと一生恨んでやるんだからっ!」


皆の真新しい名前の書いてある数学の教科書を手に持ちながら歩く。


「唯奈こっち向いて」


「…ど、どーして?」


「いいからほら。」


こっちを向いた戸倉くんと目があい、すぐに逸らしてしまう。だめだ…緊張しちゃう。