私には私がいる

「唯奈ー!同じクラスだね♡」


「香暖羽ー制服めっちゃ綺麗に着れてる!めっちゃすっごい笑」


東真 香暖羽(あずま このは)。
女子っぽくて、吹奏楽部の部長だったの。


「唯奈ってば。ネクタイはこーやって結ぶんだよ?」


「す、すごっ!!!?」


チャイムが鳴って、自分の席に座る。
窓際の後ろから2番目。後ろには香暖羽。


そして、戸倉くん。


なんでこうなったんだろう。名簿順じゃないの?って思う。びっくりする…


「はーい。学級委員決めるぞー」


「せんせー!遅刻した2人でいいんじゃね?」


はぁ?!なにいっとんじゃあ?!?
こっちは怪我人なんだよ!あいつ誰?


…って。千駿か。
翼希 千駿(つばき ちはや)。中学校が一緒でいっつも話していた。


「いーとおもうー!!」


皆が口を揃えて言う。
うそ…戸倉くーん!なんか言っ……


「なんでねてるんだーい!!」





あ。


あ…やってしまった。
終わった。もう好きな人どころじゃない!!?


「なんでもないですあはははは」


「唯奈ってさぁー高校初日からよくやんね」


「はぁー?!千駿もよくぞ学級委員に指名してくれたわね!!!」