「はぁ…もうむり…戸倉くんさすが…全国大会レベルは違うよね…」


「唯奈バテ過ぎ!唯奈だって俺についてこれるなんてすごいよー」


…唯奈ねぇ。下の名前で呼ばれてなんか複雑。
でも、嫌な複雑じゃないの!…いい複雑?


「あー俺と唯奈同クラじゃん?」


「えええーー?!んあああー良かったぁ」


え、ちょまって。良かった?
思ってることと言いたいことがちがくて自分でも驚く。


「あはは、びっくりするほど素直だね。俺も嬉しいよ笑」


「うん…ありがとう。」


ちゃんとクラス見ると、1番仲良しの子とは離れちゃったけど知り合いは少しはいる。


ガラガラっ


「おっはよーございまーす」


「お、おはようございます」


戸倉くんがふざけたみたいにズカズカと教室に入る。あたしは汚れた制服をカバンで隠すように控えめに教室に入った。


「おい。お前ら?入学式来てなかったよな?」


「はい」


先生の喧嘩腰の言葉にあっさりと返す戸倉くん。あああ…このままじゃ好きな人どころじゃなくない?!?


「はぁ?!?」


「こ、これには訳があって!私たちは悪くないんでっ!」


怖かったし。おじさんだしハゲだし。
なんであたしが言い返してるのかわかんない。


「唯奈…?」


「浅見…戸倉…」


「「は、はい?」」


「放課後残って教室掃除しろ!!!!」


あ…出た。これね。
マンガとかであるやつ。ひどくない?!?泣