【短】彼と彼女のバレンタイン。








「…ん、うまい」









そう小さく漏らした声はだれに届くわけでもなく、白い吐息とともに霧散した。









板チョコなんて義理に決まってるんだろうけど、それでも嬉しいと思ってしまうのは、俺が千早のことを好きだからだろう。










でも、願わくは来年は――……










そんな期待を込めながら、冬の夜空を見上げた。