2月14日、午後11時30分







窓ガラスに何かが当たった音がして、のそのそとベッドから起き上がる。







その音の正体は分かりきっていて、面倒くさいと思いながらも音のした方へ向かう。







「なんだよ、こんな時間に……」






一言文句を呟いてから、カーテンと窓を開けると予想通りの人物が視界に入った。






「ねえ、私の数学のノートそっちにない?宿題見てもらった時に忘れてったと思うんだけど」






向かいの家の窓から、そんなことを尋ねてくる幼馴染の千早(ちはや)。