純粋で真っ白な嘘

僕は微笑む。

「ライにあるものは僕にもあって。
無いものは僕にも無いよ」


ライは少し嬉しそうに


「俺と八重は似てるもんね」


と応えた。


その時に時計の針は午後の七時を差していた。


夏だから日が暮れるのが遅くて

まだ明るい。


「じゃあね」

と小さく手を振りながらライは帰る。

いつもはまだ帰らないのに。


やっぱり今日のライはおかしい。