純粋で真っ白な嘘

『八重、河野を助けて』

その文字が頭を過った。

どうやって?

どうやって助けろと言うのだ。


河野の身に何か起こるのか?

だとしたらどういう事が起こる?

こんな真夏に?

誰がどういう行動を起こす?


「...八重?.....八重!!」


河野の声で我に返った。


「どうしたの?」


2年前より声が聞き取りやすい。

少し、ほんの少し低い大人の声だ。


背も高くなっている。


...昔と全然変っていないと思ったけど

こういうちょっとした所で変わったんだな。