本当は可愛いのです

「咲様!どうなされましたか?」


「柴田さん、私もう学校に行きます。
送って頂けますか?」


柴田さんは察したように笑顔で頷いてくれた。




初めて、りょうちゃんと別々の登校なんて。変な感じ。


窓の外をぼーっと見てると、柴田さんが話かけてきた。



「咲様がなぜお泣きになられているか、
それは、亮介様の婚約についてですか?」



「え?なぜ柴田さんがそれを?」



「咲様の事なら、なんでも分かるんですよ」って微笑みながら答えた柴田さんは話を続けた。



「咲様は、どうして亮介様の婚約が嫌なのですか?」



え。嫌、なんでだろ…柴田さんなら分かるかもしれない。そんな期待をして、話した。



「チクッてするんです。胸が痛くて、
涙が出るんです。

今日の朝、りょうちゃんと話ていたときはドキドキってしたのに、

りょうちゃんが他の人の所に行っちゃうって思ったら悲しくなって…」




「それなら、大丈夫です。もう一度、亮介様とお話しになられたらきっと、お分かりになられると思いますよ。」