本当は可愛いのです

「なに、それ。いくらなんでも早すぎでしょ。それに、俺はもう誰がいいか決めてるから。父さんには話しただろ?」



珍しくりょうちゃん怒ってる。



それに、りょうちゃんは誰が自分の婚約者がいいか決めてるからって。

それは好きな人がいるってことでしょ?


チクッてなんだか胸が痛いよ…



「落ち着け、だからその婚約者はお前の言ってた通りの人だ。俺もその子にしようとお前が生まれる前から決めていた」


「そっか。それなら、その話を進めて」



うそ。りょうちゃん嫌だよ…私、りょうちゃんが他の人の所へ行ってしまうの。
嫌、



「い、嫌だ!私、私は嫌だよ!りょうちゃん、どうして?俺の側にいてって、約束したじゃん!」


「咲、ちがっ、咲!」



私は気づいてたら走ってて、涙も出てた。なんでか分かんなくて、でも胸が張り裂けそうなの。