本当は可愛いのです

いやいや、私は話さなくちゃいけないじゃん。

「りょうちゃん、あのね。私の話聞いてくれる?」


「うん。分かった。咲、危ないから」


そう言ってりょうちゃんは手を差し出してきた。


「ありがとう!
今日、りょうちゃんのお父さんと私のお父さんが婚約者の話しをしたでしょう?
私、りょうちゃんとずっと一緒だと思ってたから…嫌なの!他の人の所に行かないでよ!」


りょうちゃんは驚いてた。でも直ぐに


「どうして嫌なの?他の人の所に行ったら」


「え、だって。だって」

あれ?うまく言えない。なんで…


あ、詩音ちゃんが言ってたな。


「もし、言えなくなったらね?私に話してくれた通りに言いな、亮介なら分かってくれるから!」



よし。


「りょ、りょうちゃんといるとね?ドキってするの。でも、りょうちゃんが他の人の所に行くって聞いたら、チクッてして悲しくなるの。ねぇ、この気持ちはなに?」


さっきよりずっと驚いて、でも笑ってます。この人。ひとが真剣なのに。


「もう!なんで笑うの?ひどい!」


「ごめん、ごめん。咲、こっち来て」


「へ、きゃっ」


りょうちゃんは私をだ、抱きしめてる状態で…どどどどうしよう!りょうちゃんと密着してます。


「咲、それって。俺のこと好きってことだと思うよ?」


抱きしめたままりょうちゃんが言った。



「え?私、前からりょうちゃんのこと好きだよ!」


そうだ!前から好きだよ!


「母さんのことが好きと俺のことが好きと違うでしょ?」


あれ?本当だお母さんにはドキドキしないもん。


「それが、恋だよ。咲」


「こ、い?恋!?これがなの?え!
うそ!わ、わたしゆうちゃんに恋してるの?やったー!」


恋がどんな気持ちかは知らなかったけど、初恋はゆうちゃんがいいって小さい頃から決めてたから。



嬉しくて、ぴょんぴょん跳ねてます!



「咲!危ないから、まず俺の話を聞いて」


はっ。そうだ。今は私は片思いしてるんだ…それにゆうちゃんは婚約者がいる。
勝ち目ないよ、


「咲、勘違いしてる。婚約者は咲だよ」


へ?私?


「え、でも好きな、え?」


混乱中です…



「俺は、咲の事が好きだよ」



そう言ってりょうちゃんは私にキスをした。


え!キス?!待ってくしゅしゃい!



「りょ、りょうちゃん!私たちは両思いなの?」



「そうだよ、もう朝は咲が泣いて飛びだしたからビックリしただろ」



「ご、ごめんなさい。」


最後までいたらこんなことにならなかったのに…