それから何日か過ぎて
最初の体育の授業。

体力テストが始まる日だった。

走る事だけは自信がある私は猛烈に燃えていた。

「茉凛ちゃんイキイキしてるね」

くるみが隣でにこにこしてる

「そりゃあ自己ベスト更新するしかないでしょ!」

そうだ、私の目標は自己ベスト更新!

「さすがだね!くるみ、今年も茉凛の走るところ間近に見れて嬉しいよ」

この子はなんでこんなに素直に
物事を言えるんだろう。

時々くるみの天然さが羨ましい。

「私頑張るよ!」

「はい次、逢坂、井上 」

逢坂という先生の声に反応した。
今から逢坂が50mを走るようだ。


「よーい、スタート!」

逢坂は私よりもはやくて、
走る姿もかっこよくて、
絶対これ見た女の子は惚れちゃう。

私はじっと見ていた。

すると周りの女子軍が

「逢坂くんかっこいいよね。」
「まじで王子様。」

「走り方もかっこいい!」

やっぱりそうなるよね、
ため息ついた時。

「真田、みてたか?俺の走り!」

逢坂が後ろにいた。

「みてない。」
嘘、ガン見してたよ。

「どーせ真田の事だから見てただろ」

何、私、逢坂にしたら変態キャラなの?
最悪!!!

「まぁ、今から頑張れよ!」

そう言っていつもの笑顔で私の頭を
ポンってされた。

やばい…走る前に倒れそうだ。

「次、佐々木と真田〜」

先生の声にハッとなる。

「今年もぶちかましてこいよ!」

逢坂に言われたらそうするしかないじゃん!

私は見事に自己ベストを更新し、
クラスで女子1位に輝いた。

くるみがやっぱり茉凛ちゃんが1番だねって言ってくれた。