最近、特に寒くなったなぁ。

そんなことを考えながら秋の道を歩く。

昨日とその道は変わらない。変わったのはあたしたち。

「あれ?皐月ぃ?」

「ゆうな…」

校門の前にゆうなの姿が。いつもみたいに周りに花を咲かせてるけど、私を見るその瞳はいつもと違う。

その瞳に気づいてないフリしてゆうなに近づく。

そんなあたしを知ってか知らずか…。ゆうなが核心をつく。

「伊川くんは?」

いつも一緒じゃん!

驚いたようにあたしを見つめる。

「何かあった?喧嘩でもしたの?」

喧嘩ねぇ…。そうだったらどんなにうれしいか。

喧嘩だったら早く解決できるのに。自分で解決できるのに。

けどそうじゃないんだ。

早く解決できないんだよ。自分でどうこうできないんだよ。

だって…だって…。

「お、皐月おはよ!」

背後から聞こえる声。