「はぁ…。」
最近ため息多いな私。
幸せ逃げてっちゃうから気をつけないと。
でも、莉沙が付き合った時は本当に嬉しかったなぁ。自分のことのように。
自分も、もし誰かと付き合えたらそんな風に思ってもらえるのかな?
いや、ないかな。
1人で自問自答していると、幼馴染のひかりがきた。
ひかりもテニス部に入ったが、辞めずに今も頑張っている。
…はずなんだけど
「あっ、美桜!ちょうどよかった〜一緒に帰ろ!」
「えっ、ひかり部活は?」
「ん〜まあサボりかな?笑
今日美月も来ないし1人幽霊部員だし2人で先輩相手はキツイもーん」
美月はテニス部の女の子。
テニス部なかなかにやばいな。
「あはは。まあ私も入ってた時サボりまくってたしね笑ついでに莉沙も笑」
「やっぱそういうもんだよね!先輩に見つからないうちに帰らないとっ」
少し急ぐひかりに合わせて私も少し早めに自分の下駄箱を開ける。
私の下駄箱は1番下。
はき替えるたびにしゃがまないといけないから
少し、めんどくさい。
「どっこいしょっと」
ローファーを取り出してスリッパを入れる。
「そーゆー声出すから女子力上がらないんだよ〜笑」
ひかりに言われて、確かに、と思った。
「やっぱこういうとこから直さないとだよね」
ローファーに履き替えた私たちはテニスコートから見えないように遠回りして自転車置き場に向かう。
「漫画の高校生って女子力あるよね!」
ひかりがふと思い出したように言う。
「あ〜確かに。でも何が違うんだろう?」
少し考えるとひかりは
「あっ、漫画女子はカバンがスクバだ!」
確かに、漫画の女子校生は学校のカバンにスクールバッグを使っている。
私たちはリュックだが、帰宅部の生徒もだいたいスクバだ。
「そうだね、部活も辞めたことだし
明日からスクバでくるよ!」
そう言いながら自転車で坂を下る。
女子力かー。
明日から少し、頑張ってみようかな。
