「ほんとかっこよくてさ〜」
「いま1番幸せかも♡」
「塾のあと迎えに来てくれて〜」
………なんだこのピンク色の空気。
うちの教室ってこんなにピンクオーラだったっけ?
「みんなどうしちゃったのー!」
高校1年の冬 12月
あと3ヶ月ほどで2年生になるという時期に
なぜなのか、私、草加部 美桜(クサカベミオ)の学年ではカップルが続出している。
そんな中私は、好きな人どころかかっこいいな〜なんて思える人すらいない。
「美桜も好きな人作りなよ〜」
私に笑いながらこう言うこの子は
山本 鈴(ヤマモトスズ)。
高校にはいって同じクラスになって知り合った。
「自分が幸せだからってもー!」
鈴は11月あたりに彼氏ができた。
もうすぐ2ヶ月になる2人は本当に仲良しで、話を聞くと余計に羨ましくなる。
「えへへ。でもそう思わない?ねぇ、とも!」
「うん、いいな〜彼氏。ほんと羨ましい!」
こう言うこの子は坂田 友夏(サカタトモカ)。
皆には"とも"とよばれていて私と同じで彼氏はいない。
でもともには好きな人がいる。
「早く告っちゃいなよ〜!」
ともにむかってガッツポーズする鈴。
「無理だよ〜絶対振られちゃう。それにLIMEでしかうまく話せないし!」
「でもLIMEではいい感じじゃん♪」
ああ、2人の会話についていけない。
私は2人が話してる間にトイレに行くことにした。